ニキビの治療薬というと、肌に直接塗る外用薬を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかしニキビはホルモンバランスの乱れやストレスなど体調によって悪化する場合もあるため、適切な内服薬を使って体の内側から治療することも大切です。
「ニキビの内服薬にはどんな種類があるの?」「どれを選んだらいいの?」と気になっている方のために、皮膚科で処方される内服薬や薬局、ドラッグストアで購入できる市販薬、オンライン診療で処方される内服薬について詳しく解説します。
ニキビの内服薬の選び方や効果が期待できる薬も紹介しますので、ニキビで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
ニキビの内服薬はニキビを改善する効果はあるの?
ニキビは思春期や若い方、大人まで幅広い年齢の方にでき、90%以上の方が経験する身近な疾患です。
そのため
「塗り薬を塗っていたら治るんじゃないの?」
「内服薬の治療って必要なの?」
このように思う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ニキビの内服薬の効果や内服薬と外用薬の違い、選び方について詳しくみていきましょう。
ニキビには症状に応じて段階がある
ニキビの正式名称は尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)といいます。
皮脂が毛穴にたまると、ニキビの原因となるアクネ菌の数が増え、白いプツプツや赤い炎症などの肌トラブルを起こします。
皮膚の腫れや丘疹、炎症の程度によって、どの段階のニキビか判断します。
以下のように白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビの4段階に分けられます。
白ニキビ
ニキビのでき始めの赤みを帯びていないニキビです。
毛穴に汚れや角栓がつまり隆起した状態で、まだ化膿していません。
早い段階で毛穴に詰まってしまった汚れや角栓を取り除くことで、ニキビの悪化を防止できます。
黒ニキビ
白ニキビを放置して少し進行した状態。
皮脂が盛り上がり、毛穴が開き、患部が酸化し、黒く変色したニキビです。
赤ニキビ
黒ニキビがさらに進行した状態で、炎症を起こしている状態です。
触ると痛みを感じます。
黄ニキビ
赤ニキビが化膿し、黄色くなっている状態です。
目立つため、気になって触ってしまう方や潰してしまう方もいますが、絶対に潰してはいけません。無理やり潰してしまうことで、ばい菌が入り込み、治りにくく、ニキビ痕が残ってしまう原因になります。
ニキビの内服薬の効果を理解するためには、まずニキビには症状に応じた段階があるということを知っておきましょう。
ニキビの内服薬は体の内側からニキビを改善する
ニキビ治療薬は、どの段階のニキビなのか判断し用いられ、でき始めの白ニキビや黒ニキビなら外用薬での改善が期待できます。
炎症や化膿を起こしているニキビや繰り返しできるニキビは、皮脂の過剰分泌によって毛穴が詰まり、肌のターンオーバーの乱れが生じます。
肌のコンディションが悪くなるとアクネ菌が増殖し、ニキビの悪化や炎症を引き起こします。
これらの症状に効果的な内服薬があり、適切に服用することで体の内側からニキビの改善を図ることが期待できます。
ニキビの内服薬と外用薬の違い
内服薬と外用薬には、以下のような違いがあります
内服薬 即効性は感じにくいが、服用することで全身に作用がいきわたる
外用薬 即効性が期待できるが、塗布した場所以外への効果は薄い
治したいニキビがどんな状態なのかを判断し、適切な治療薬でアプローチすることが大切です。
皮膚科医によって内服薬と外用薬を併用して治療することもあるため、専門医の医師の診察を受けることが望ましいでしょう。
ニキビの内服薬の選び方
ニキビの治療に使う内服薬は、ニキビの原因に対して効果的な成分が含まれていることが重要です。
炎症が強い場合は、ニキビの赤みや腫れを軽減させるために抗生物質が用いられます。
ただし、長期的に使用した場合は薬剤耐性菌の発生や副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って服用することが必要です。
一方で、でき始めのニキビについては薬局やドラッグストアでニキビ治療薬や肌質改善が期待できる内服薬を購入される方も多いでしょう。
いずれにしても、ニキビの状態を把握し適切な内服薬を選ぶことが大切です。
皮膚科の治療で使われるニキビの内服薬
皮膚科で使われるニキビの内服薬にはどんなものがあるのでしょうか。
ここでは、日本皮膚科学会の尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023から、ニキビ治療に推奨されている内服薬を説明します。
テトラサイクリン系の抗菌薬
炎症しているニキビ(赤ニキビ)の治療に推奨されているのは、テトラサイクリン系の抗菌薬で「ドキシサイクリン」や「ミノサイクリン」などです。
炎症性皮疹に対する抗菌作用と抗炎症作用があり、皮膚科でよく使われています。
マクロライド系の抗生物質
「ロキシスロマイシン」などがあり、細菌の増殖を抑え、炎症を鎮める作用があります。
ドキシサイクリンやミノサイクリンよりも効果や副作用が穏やかです。
ペネム系の抗生物質
「ファロペネム」などがあり、他の薬で効果がなかった場合や化膿性炎症を伴うニキビに用いられます。
ほかにもテトラサイクリンやエリスロマイシン、クラリスロマイシン、レボフロキサシンなどの抗生物質の内服が選択肢のひとつとして推奨されています。
漢方薬
漢方薬の荊芥連翹湯、清上防風湯、十味敗毒湯については、ほかの治療が無効、または実施できない場合に選択肢のひとつとして推奨されています。
皮膚科では、ニキビの症状や副作用、経過観察を行い、効果的な治療薬が処方されます。
ガイドラインで推奨されている内服薬は、ニキビの急性炎症期(面皰を伴う炎症性皮疹)に対して最大3カ月を目安として用いる薬とされています。
薬剤耐性菌の発生や副作用のリスクがあるため、急性炎症期の治療期間が終わった後は、維持期の治療へ移行が推奨されています。
参照:日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023.pdf
初期ニキビの改善が期待できる市販薬
炎症性のニキビは皮膚科での治療がおすすめですが、
「忙しくて皮膚科に行くのが難しい」
「でき始めのニキビだから手軽に治したい」
など、でき始めのニキビが気になる方は、薬局やドラッグストアで販売されている市販薬の内服薬を試してみるのもひとつの方法です。
市販薬でのニキビ治療は、白ニキビや黒ニキビなど軽い状態の場合に効果的です。
市販薬の内服を続けても治らない場合や、悪化してしまった場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
チョコラBBプラス(エーザイ株式会社)
ビタミンB1・B2 ・B6が配合され、それぞれ糖質・脂質・たんぱく質の代謝をサポートします。ビタミンB群が食事から摂取した栄養をエネルギーに変え、日々の疲れをケアし、ニキビや肌荒れ、口内炎にも作用します。
ターンオーバーの正常化と肌の再生の促進によってニキビ予防が期待できる内服薬です。
小粒で飲みやすい錠剤で1日2回、1錠ずつ服用します。
参照:チョコラBBプラス(エーザイ株式会社)
https://www.chocola.com/product/bb.php
ハイチオールBクリア(エスエス製薬株式会社)
ニキビ治療に使える市販の内服薬。
皮脂や脂質のコントロールや皮膚の健康を維持する7種類のビタミンとL-システイン(抗酸化作用)が配合され、肌荒れやニキビを改善し、キメの整った肌を目指します。
1日1回の服用で続けやすく、思春期ニキビや大人の肌あれ・ニキビに悩む方におすすめです。
参照:ハイチオールBクリア(エスエス製薬株式会社)
https://www.ssp.co.jp/product/all/hbclear
ビハクシロップ(佐藤製薬株式会社)
ビハクシロップはビタミンB不足によって起こるニキビや口内炎などに効果を表します。
ヨクイニンが配合されているため、肌荒れの改善も期待できます。
参照:ビハクシロップ(佐藤製薬)
エバセチンゴールド(株式会社エバース・ジャパン)
体への吸収力が高い活性型ビタミンFADやヨクイニンが配合され、ニキビや肌荒れ、口内炎に効果的です。
美肌を目指す方にも嬉しい、ニキビのできにくい美容効果も期待できます。
参照:エバセチンゴールド(株式会社エバース・ジャパン)
http://www.eversjapan.co.jp/product/eversetin_gold.html
POINT
市販の内服薬は、手軽に薬局やドラッグストアで購入できますが、症状の個人差や飲み合わせに注意が必要な場合やニキビの悪化といった恐れがあります。
服用する前は医師や薬剤師に相談しましょう
オンラインクリニックでのニキビ治療で処方される内服薬
市販薬を使ってもなかなか治らないニキビや、皮膚科に通院する時間がない方から人気が高いのが、オンライン診療のニキビ治療です。
コロナ禍より、対面診療や手間や負担を軽減させるメリットからニーズが増えています。
一般の皮膚科で診察を受けた場合、基本的に保険適用の内服薬が処方されますが、オンラインクリニックは、ほとんど保険適用外(自由診療)となります。
「保険適用外は高い」と思われる方も多いですが、ニキビ痕やシミになってしまった場合の治療は、皮膚科でも保険適用外となり、オンライン皮膚科が一律に高いわけではありません。
オンラインクリニックは、ニキビそのものの治療とともに、肌質の改善や健康的な肌作りも行います。皮膚科における保険適用の内服薬で改善がみられなかった場合や根本的な肌質改善への効果が期待されるでしょう。
「東京ミレニアルクリニック」の内服薬の処方例
オンライン皮膚科でのニキビ治療で処方される内服薬にはどのようなものがあるのでしょうか。
ニキビ治療専門オンラインクリニック「東京ミレニアルクリニック」で処方される内服薬をみていきましょう。
トラネキサム酸
シミ予防のスキンケア製品などで知っている方も多く、止血作用やメラニン色素や炎症の抑制があります。
しみ(肝斑)の治療薬として美容皮膚科で多く用いられています。
イソトレチノイン
難治性ニキビの治療薬として効果が高いニキビ治療薬の内服薬で、皮脂分泌の抑制やアクネ菌の抗菌作用、抗炎症作用があります。
副作用のリスクが伴うため、日本では未承認の治療薬で保険適用されません。
イソトレチノインを使用する場合は、同意や血液検査が必要になり、医師の指導を守り服用することが重要です。
個人輸入も禁止されていますが、東京ミレニアルクリニックでは医師の診察を受け、必要に応じて処方してもらえます。
ハイチオール
肌のターンオーバーを正常化し、ニキビの原因となる毛穴詰まりを予防します。
また、メラニン色素の生成を抑制する作用もあるため、シミやそばかす、肝斑の改善に効果的です。
ニキビの改善とともにクリアでキメ細かい肌に導きます。
シナール
アスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)が配合されたビタミン剤です。
抗酸化作用でニキビの炎症を抑制し、コラーゲン生成作用によって弾力や潤いのある肌をもたらします。
また、コラーゲン不足によるシミやニキビなどのスキントラブルの予防にもつながります。
ノイロビタン
ビタミンB1、B2、B6、B12が配合され、ビタミン不足による症状を抑え神経痛、筋肉痛・関節痛の治療で用いられています。
また、ビタミンBの作用によって肌荒れやニキビの改善、皮脂分泌抑制作用によって、健康的な肌を維持します。
ニキビの内服薬にはいろいろあり、自分のニキビや肌の状態に合った薬を服用することが大切です。
東京ミレニアルクリニックは、ニキビ専門のオンラインクリニックで、自宅にいながら経験豊富な医師の診察を受け、適切な治療と薬の処方をしてもらえます。
参照:東京ミレニアルクリニック
https://millecli.com/lp?u=lp060210204
ニキビに効果の高い市販薬と処方薬の違い、おすすめはどっち?
薬局やドラッグストアで購入できる市販薬と、皮膚科やオンライン診療で処方される内服薬の違いについて説明します。
市販薬の内服薬は、医薬品に比べて有効成分の含有量が少ないため、肌質を整えたりニキビ予防などニキビの改善を促すケアが中心です。
初期のニキビには効果的ですが、悪化や炎症が進んだニキビには、大きな効果は期待できないでしょう。
一方、処方薬はニキビの炎症抑制やアクネ菌の殺菌などニキビそのものへの作用があり、有効成分や効果が異なります。
効果はありますが、通院や待ち時間が負担になり、忙しい方にとってはなかなか受診できないデメリットもあります。
オンラインクリニックなら、ニキビ治療への効果や肌質改善が期待できる医薬品の処方が可能です。
また、通院の手間がないので、利便性に優れ、希望に合った治療を選択することができるでしょう。
POINT
肌のターンオーバーの促進や肌荒れ改善を目指す方は、市販薬を試してみても◎
ニキビをしっかり治したい方は、医師の診察のもと内服薬を使用しましょう。
【まとめ】ニキビの内服薬で健康な肌へ!自分に合った薬を選ぼう
皮膚科やオンラインクリニックで処方されるニキビの内服薬や薬局、ドラッグストアで購入できる市販薬についてお伝えしました。
ニキビは、症状や段階に応じて自分に合った治療法や薬を選択することが重要です。
内服薬は、体の内側からニキビの症状を改善し、健康的な肌へ導いてくれる働きがあります。
市販で手軽に購入できる外用薬や内服薬を使っても改善されない方は、医師の診察を受け、適切な治療薬を服用しましょう。
今回ご紹介したニキビ専門のオンラインクリニック「東京ミレニアルクリニック」は、一人ひとりの症状やライフスタイル、体質に合ったニキビ治療を提案し、症状に合った薬を処方してくれます。
繰り返すニキビや悪化したニキビなど難治性ニキビに悩んでいる方は、医師の診断のもとイソトレチノインも選択肢のひとつです。
皮膚科の通院が難しい方は、ご自身のタイミングで場所を問わずに医師の診察を受けられるオンラインクリニックでニキビ治療を始めてみてはいかがでしょうか?